LINER NOTES

2013年1月の最新アルバム「The Independent King」リリース後にキャリア初の全国ZEPPツアーを開催し、そこへと至る道程を示したことも記憶に新しいAK-69。同アルバムに端を発して以来、そのZEPPツアーを切り取ったDVD作品『THE MOVIE ~Road to The Independent King~』や自身2作目となったベスト・アルバム「Road to The Independent King」のリリースを筆頭に、ここまでAKは最新アルバムの世界観(彼の言葉を借りるならば「ソリッドな自分との闘い」)をひたすらに表現してきた。そんな流れを一旦締め括るべく敢行されたのが、地元・名古屋の日本ガイシホールと邦楽の聖地・日本武道館を巡るアリーナツアー、つまりは本作に収録されたショウだ。
「2つのライブを同じセットリストでやった方が、もちろん予算的にはいいですよ。ステージセットも映像も持ち回れるし。でも、今のオレには一流アーティストみたいにめちゃくちゃいっぱいファンがいるわけじゃない。両公演とも見に来てくれる熱心なファンが多いからこそ、オレの今までの道程を見せると言ってるライブで同じことを2回はできないでしょっていう。だから、せっかくならその2つのライブで1つのストーリーになるようなものにしたかったんですよね」

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午年の2014年に年男であるAKが開催したこのアリーナツアーは、ガイシホール公演・武道館公演ともに"Iron Horse -No Mark-"で幕を開けている。ライブを構成する段階から、すでにオーディエンスの盛り上がりも込みでその景色は見えていたそうだが、本編のテーマと内容はそれぞれで大きく異なっていた。サブタイトルを「-The Roots-」としたガイシホール公演は、そのタイトル通りAKのルーツから現在までのリアル・ストーリーをなぞったものだった。一方で「-The Future-」と銘打たれた武道館公演では、ある種の"未来"という"真逆"を提示したAK。自らを支え続けてくれた地元のファンに対して、それまでの目標として掲げていた武道館公演に挑むまでの自らのストーリーとその決意を改めて披露した上で、日本の中心の東京ではAK-69の"未来"=変わらぬスタンスで走り続けることを高らかに宣言したのである。彼のキャリアにとって、その事実は想像以上に大きくゆるぎない。なぜなら、地方出身のインディーズ・アーティストが、同志やスタッフ、ファンのサポートのみで武道館を含むアリーナツアーを大成功に導いたことは、疲弊する音楽業界において大きな衝撃だったはずなのだ。
その上でAKは今回のアリーナツアーにおいて、客演の助けを借りず、"1本のマイクでパフォーマンスすること"にこだわっていた。
「今まで関わってくれたみんなと一緒にステージに立って、『俺たちはこうやってやってきたぜ!』っていうのをアピールするのももちろんHIP HOPでは重要なことだとは思うけど、それは前回もやったこと。ここに来たからあえてオレは一人であのステージに立ちたかったんですよね。でも、あの1本のマイクはオレだけのものじゃない。MSのスタッフも家族も、仲間たちもお客さんも…全員含めて成り立ってたものなんで。元々(キャリアの)始まりはワンマイクだったけど、今のあのマイクにはみんなの気持ちとかいろんなものが乗っかってる。それをこのタイミングで表現したかったんですよね。一挙手一投足に注目されて片時も休めないけど、オレは一人のラッパーとして、一人の音楽家としてステージに立ったワケだから、やっぱりそれができなきゃねって。その思いは見てくれた人に伝わってたみたいだし、本当にやってよかった」

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この言葉からも読み取れるように、鬼気迫るワンマイクでのステージングは自らの成功とともに同志の成功、そして日本のHIP HOPシーンのさらなる成長をも切に願うものだった。そんな熱き思いは、今回の映像作品からも十二分に伝わってくることだろう。ちなみに本作は計20台ものカメラを駆使して収録されたそうだが、なかでもガイシホール公演の撮影で使用された最先端の超高性能カメラの名前は"RED ONE"――。無論クオリティを求めた結果起こった偶然ではあるのだが、愚直なまでのその思いに、もはやすべてが彼に味方しているようにすら感じてしまう。
そんな今作に関して、AKは5月4日のブログでこのようなエントリーをしていた。「細かいとこまで『あの日』の伝え方にこだわらせてもらっとるよ。会場で感じたものと映像じゃ、どこまでいっても完全再現はできないからさ。実際観る事に勝るものはないナマモノだからね。どこまで、あの日を再現できるか、という課題と今回も向き合いながら進めてます」。確かに、実際の会場とまったく同じ感動を届けるのは難しいかもしれない。しかし、過去楽曲のリリックともリンクした(実体験を歌うAKだけに当然のことでもあるが)演出映像とライブ映像に、当日には無かった"編集"が加わることで、感動はいい意味でまったくの別物となったとも筆者は感じている。この作品には、ある意味で、客観的視点でこそ生まれる感動すらも内包されている――そして、それこそが本作の存在価値に他ならないのだ。
さて、本稿冒頭で、「流れを一旦締め括る」という表現をしてはいるが、「Road to The Independent King」はあくまで序章である。早くもリリースに向けて制作をスタートしている新作を絡めた、新たなサクセス・ストーリーがここからは始まっていく――。
「このアリーナツアーを成功させられたのは、次への大きな自信になった。目の前のことができないなら、今より大きなことなんて絶対できないですからね。いくらアルバムが売れようと、ライブでコケたらまたイチからやり直し。だからこのアリーナツアーが終わって、ようやく次への扉が開けたっていうか」
 今回のアリーナツアーで踏み固めた土台をステップに、次なる目標を「最低でも武道館2Days」と設定したAK-69。そこへ向けて、彼は変わらぬやり方で相変わらずのハードワークを積み重ねていく。現在進行形のサクセス・ストーリーを収めた映像作品は、単なるライブDVD(blu-ray)ではない。AK-69のキャリア、ひいては人生をも切り取った、ライフ・ドキュメンタリーなのである。

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CONTENTS

■ THE ROOTS

■ "Road to The Independent King ~THE FUTURE~" 2014.03.05(WED) at 日本武道館
・Konayuki  ・THE INDEPENDENT KING  ・SWAG IN DA BAG  ・YELLOW GOLD  ・PAPARAZZI  ・Guess Who's Back?  ・FXXk Off  ・To Media  ・One Way, One Mic, One Life  ・Follow Me  ・Jap Ridaz feat. 加藤条山  ・雨音  ・THE RED MAGIC  ・WHO ARE U?  ・Rain ~Requiem ver.~  ・HOMIE...  ・Let Me Know Ya...  ・WAYA  ・My love  ・The Honesty 〜My Love PT. III〜  ・メアリー 〜My Love Next Episode〜  ・Luxury Night  ・CHAMPAGNE BOYZ  ・I'M SO SORRY  ・Skit ~追憶の夜~ Prelude ver.  ・And I Love You So  ・BECAUSE YOU'RE MY SHAWTY  ・START IT AGAIN  ・Remember Me  ・街模様  ・IT'S OK  ・ONE  ・CUT SOLO  ・It's On  ・Ding Ding Dong 〜心の鐘  ・Only God Can Judge Me  ・THE SHOW MUST GO ON  ・TOO MUCH MONEY OUT HERE

■ 69 VIDEO MIX Mixed by DJ RYOW
・START IT AGAIN  ・NEVER GONNA STOP  ・From the street feat. 來々, Kalassy Nikoff  ・HOMIE... feat. HI-D  ・Ding Ding Dong 〜心の鐘〜  ・IRON HORSE -No Mark-  ・HOLLYWOOD feat. TWO-J  ・THE RED MAGIC  ・Only God Can Judge Me  ・THE SHOW MUST GO ON  ・CHAMPAGNE BOYZ  ・PUBLIC ENEMY  ・SWAG WALK  ・SWAG IN DA BAG  ・YELLOW GOLD  ・ONE  ・And I Love You So

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品番:VCBM-2008,2009
仕様:DVD2枚組

【DISC1】
■ THE ROOTS
■ 69 VIDEO MIX Mixed by DJ RYOW
【DISC2】
■ "Road to The Independent King ~THE FUTURE~" 2014.03.05(WED) at 日本武道館

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【DISC1】
■ THE ROOTS
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品番:VCXM-2002
仕様:Blu-ray1枚

【DISC1】
■ THE ROOTS
■ "Road to The Independent King ~THE FUTURE~" 2014.03.05(WED) at 日本武道館
■ 69 VIDEO MIX Mixed by DJ RYOW